はじめに
株式会社三陽商会から第80期定時株主総会の招集案内が届きました。インターネット上でも議決権を行使することができますが、今回は株主総会の雰囲気を知るために実際に現地へ足を運んでみました。
三陽商会(8011)の事業内容
三陽商会は1943年に設立された会社で、紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売を行っています。時価総額は現在200億円(2023年6月4日時点)です。かつてはイギリスのファッションブランド「バーバリー社」とのライセンス契約を結び、バーバリーブランドの販売も行っていましたが、2015年にその契約は終了しました。
2023年6月現在、三陽商会は以下の7つの主要ブランドを展開しています:
・BLACK LABEL
・BLUE LABEL
・MACKINTOSH LONDON
・MACKINTOSH PHILOSOPHY
・Paul Stuart
・婦人服(AMACA, EVEX, TO BE CHIC)
2023年2月現在、売上の大部分は百貨店での販売が中心で、売上の約65%が百貨店によるものです。
株主総会の概要
下記の通り三陽商会の以下に三陽商会の株主総会の詳細を示します:
【開催日時】
2023年5月30日 午前10時
(受付開始:午前9時)
【開催場所】
ホテルグランドヒル市ヶ谷 東館3階 瑠璃
【決議事項】
・余剰金の処分の件
・取締役7名選任の件
株主総会の雰囲気
私が到着したのは9時50分ごろでした。会場には約50人程度の人が集まっており、スーツ姿の男性が8割程度を占めていました。外見から判断すると、40~50代の方々が多い印象でした。会場のスタッフの方々はとても親切で、私が写真を撮ることを許可してくださいました。株主用の椅子も十分に用意されており、隣の人との間隔を十分に空けて座ることができました。
株主総会の進行
10時になり、社長を含む取締役の方々が9人登壇し、株主総会が始まりました。進行は以下の通りでした:
次第は以下の通りです。
・業績結果の説明
・中期経営計画の説明
・質疑応答
・決議事項
業績結果や中期経営計画の説明は、既存の資料を基に作成されていました。質疑応答には約1時間ほどの時間が割かれました。決議事項に関しては、賛成の意思表示は拍手で行われ、10分程度で終了しました。質疑応答が時間を要したため、株主総会は11時45分ごろに閉会しました。
質疑応答
質問は、挙手をしてから配布された番号と氏名を名乗って行われました。主な質疑応答の内容は以下の通りです:
Q:ROEやPBRの向上等株主還元に関わる企業価値換算に向けた取り組みは考えているか?
A:まずは今期・来季の黒字を継続・定着させ、投資家の信頼を得たい。長い目で見てほしい。
Q:現預金の保有について考えはあるか?
A:アパレル業界は季節性がありキャッシュが必要な時期が異なる。現預金の余裕があることは事実のため、プロモーションやシステム投資を積極的に実行していきたい。基本方針として現預金は新たな収益に繋げていきたい。
Q:ブランド7つのうち自社ブランドはいくつか?
A:ライセンス契約は4つ、自社ブランドは3つである。ライセンス契約の解除のリスクはあり、契約解除にならないための決め手となる施策はない。自社ブランド化できないかは模索していきたい。
Q:社員還元の具体例は?
A:賞与(ボーナス)を大幅に増加させた。またエンゲージメントの強化として経営メッセージの発信や若手との社長の対話会を実施している。
Q:海外工場で生産される商品が多く、日本産の商品が少ないのではないか?
A:数量で85%が海外生産である。設計までは自社工場で実施し、量産は海外で行う体制としている。 品質管理についてはしっかり実施している。また、自社工場生産の商品をプレミアム化する取り組みをしている。
Q:今後の成長戦略は?
A:高付加価値高単価商品のため百貨店のお客様と親和性が高いため、百貨店販路をベースにしていきたい。百貨店では従来の富裕層だけではなく、若い世代の顧客も増えてきている。百貨店の効率化も進んでいて損益分岐点も下がっている。ECのリプレイスもあり、ECも強化していくが、高価格高単価の商品のためリアル店舗を軸に進めていきたい。
まとめ
初めて三陽商会の株主総会に参加しました。会場となったホテルは広々とした空間で、好印象でした。残念ながら三陽商会は株主総会の録画・公開を行っていないようですが、株主総会に実際に参加することで、雰囲気を体感することができました。質問者の多くが法人の方々であり、どのような関心事を持っているのかが分かり、参加して良かったと感じました。
あなたはどんな株主総会に参加してみたいですか?ぜひコメントやシェアをお寄せください。