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【企業分析|7386JWS】低原価なBPO事業の成長を解説|2024年第1四半期決算

はじめに

2024年2月8日、ジャパンワランティサポート株式会社(証券コード:7386)が2024年9月期第1期四半期報告書での決算を発表しました。この記事では、ジャパンワランティサポート(以下、JWS)の決算内容とともに筆者独自の注目ポイントを交えて解説します。詳細な情報はJWSのIR情報を確認してください。

www.jpwsp.com

ジャパンワランティサポートの概要

JWSは、家電や住宅設備機器を製造又は販売する住宅設備供給事業者と提携し、住宅設備機器の延長保証事業を展開している BtoBtoCの事業形態です。JWSは住宅設備機器の故障による修理対応や不具合の解決を事業者に代わり行います。住宅設備機器のメーカー保証期間は通常1~2年ですが、JWSはメーカー保証期間を含む最長10年にわたってサービスを提供しています。競合他社として日本リビング保証(証券コード7320)があげられます。

JWSは提携企業と購入者の間で延長保証契約が締結されると、提携企業からの業務受託料が支払われ、その売り上げを基にした事業を展開しています。JWSの主力サービスである住宅機器延長保証サービス「あんしん修理サポート」などは契約料を1か月毎に按分してストック収入として売上計上しており、ストック売り上げが主要なビジネスモデルとなっています。

第1四半期の決算内容

JWSはストック売り上げ中心で、4Qに偏重する傾向があります。今期1Q計画は432百万円でしたが、実績は495百万円と計画を上回りました。進捗率も前期1Qとほぼ同程度で、順調なスタートと言えます。

延長保証事業では有効会員数の増加がストック売り上げに寄与しています。BPO事業もフロー売上増と低原価での展開により利益に寄与しており、今期は下期にBPO売上拡大を見込む下期偏重の計画です。

  前期1Q-実績 今期1Q-計画 今期1Q-実績
売上高(百万円) 396 432 495
進捗率 23.8% 20.1% 23.0%

第1四半期のトピックス

  • KPI

積極的な営業活動により提携先が増加し、有効会員数が前年同期比+26.5万人(約120%)増加しています。平均単価は、複数製品をまとめたパック商品の拡大がある一方、単価の低いリユース修理サポート拡大の影響もあり微減しています。

有効会員数の推移
(引用:JWS 2024年9月期第1四半期決算説明資料)
  • 事業拡大

住宅設備延長保証に続く収益の柱として、JWSは独自ノウハウを有する自社コールセンターを活用したBPO(Business Process Outsourcing)事業の拡大を計画しています。

BPO事業は、自社が運営するコールセンターで蓄積したノウハウを活かし、コールセンター業務だけでなく各種アドミ業務にも対応可能です。自社運営であることから、クオリティの均一化や蓄積したノウハウの有効活用が可能であり、依頼・問合せ内容に適切に対応することで提携先や関係者のストレスを軽減することを目指しています。

第1四半期においては、具体的なBPO契約数は公開されていませんが、2022年9月期には3社であった契約数が、2023年9月期には新規契約が52社と大幅に増加しています。BPO事業が収益の柱として位置づけられており、契約締結から売上計上までに時間差が生じることから、これに関連する収益は4Qに向けて偏重する傾向があります。

2023年9月期の営業外収益は63百万円であり、営業利益の10%程度を占めています。下表に示すように、前期比で投資不動産賃貸料による営業外収益が増加しています。

投資不動産賃貸料は3Qから新たに計上されており、これは継続的に利益が発生するものと考えられます。投資不動産賃貸料に関する詳細な考察は過去の記事をご参照ください。

moririn-code.hatenablog.com

一方で、投資不動産賃貸費用は7,029千円であり、これにより投資不動産による利益は335千円とわずかです。

今期の営業外収益の計画は30百万円であり、1Qにおいては投資不動産賃貸費用などを差し引いた営業外利益が7,470千円となっており、進捗率は25%です。これにより、今期の営業外収益は順調に推移していると言えるでしょう。

単位:千円 前期1Q 今期1Q
有価証券利息 1,650 2,190
投資有価証券売却益 8,661 4,887
投資不動産賃貸料 - 7,364
合計 10,311 14,441

筆者の注目ポイント

私はJWSが事業拡大の柱としているBPO事業に注目しています。

下表はストック売上(一定期間にわたり移転される財またはサービス)とフロー売上(一時点で移転される財またはサービス)の実績と私の計算による予想売上です。2024年1Qの有効会員数が前期比で20%増加し、また平均単価が1万円弱とのことなので、2024年2Q以降も継続して有効会員数が前期比20%増加、計算上の単価は9500円と仮定し、ストック売上単価を算出すると79円/月・件となります。その場合、通期で1,986百万円(465+500+504+517)となり、同社は通期計画で2150百万円を計画しているので、想定があっていればBPO事業のフロー売上を200百万円程度計画していることになります。2024年1Qの決算内容から「一時点で移転される財またはサービス」の売り上げが前期比で51百万円増加しているので、この増加分がBPO事業の利益と考えられます。BPO事業は下期に重点を置く方針とのことなので、順調に進めば通期計画を上回る可能性があります。

主なBPO契約先はクリナップ(株)、東邦ガス(株)等で3月末決算の企業が多そうなので、同社の2Q決算でBPO事業の売り上げが急激に増加する可能性も考えられます。

  2023       2024      
  1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
有効会員数(千人) 1,415 1,478 1,542 1,602 1,680 1,774 1,850 1,922
平均単価(円) 9,500 9,500 9,500 9,500 9,500 9,500 9,500 9,500
ストック売上単価(円/月・件) 79 79 79 79 79 79 79 79
予想:一定期間にわたり移転される財又はサービス(百万円) 326 341 356 371 387 406 427 445
予想:一時点で移転される財又はサービス(百万円) 65 63 64 60 78 94 77 72
予想:合計(百万円) 391 404 420 431 465 500 504 517
実績:一定期間にわたり移転される財又はサービス(百万円) 326 341 367 356 375      
実績:一時点で移転される財又はサービス(百万円) 69 68 67 65 120      
実績:合計(百万円) 395 409 434 421 495      

今後

1Qの決算がよかったこともあり、2Q決算での上方修正期待があるとすれば直近の最大PER21倍×EPS275円=5775円までは上昇するかもしれません。実際に上方修正があれば、PER21倍×EPS300円=6300円まで上昇する可能性があると考察しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、ジャパンワランティサポート株式会社(JWS)の2024年9月期第1期四半期報告書に基づく決算内容と筆者の注目ポイントを紹介しました。

JWSはBPO事業を拡大していく計画でその結果も1Qで表れ始めています。今後も有効会員数の増加とBPO事業の拡大が予想される場合は株価も伸びるのではないでしょうか。

投資は自己判断でお願いします。

あなたは決算内容のどこにに注目していますか?ぜひコメントやシェアをお寄せください。