30代のほったらかし資産形成ー穏やかな未来への計画ー

運用スタイルは中・長期です。東京近郊でお得に楽しむ株主優待体験やイベント、決算内容を紹介します。

【企業分析|JWS(7386)】ヤマダデンキの保証サービス変更による売上の影響を調査

はじめに 

この記事では、家電量販店のヤマダデンキが提供している「New The安心」の保証サービス内容が変更されることによる影響を調査しました。サービス内容の変更に伴い、年会費の割引特典がなくなり、既存会員にとっては実質的な値上げが発生します。その結果、この値上げがジャパンワランティサポート株式会社(証券コード:7386)通称JWSにどのような影響を及ぼすかを調査しました。 

www.jpwsp.com

ヤマダデンキの保証サービス 

ヤマダデンキが取り扱っている「New The安心」の保証内容は、他店で購入した家電製品を含めた長期保証サービスです。年会費は4,015円(税込)で、毎年3,000円分の商品割引券が提供されます。さらに、2年以上出張修理を利用しなかった場合には2割引3,212円(税込)になり、商品割引券と併せることで実質212円で保証サービスに加入できることになります。しかし、2023年1月15日をもって「New The安心」の新規受付が終了し、既存会員については2024年5月1日以降に新しい保証へ順次変更されます。

 

www.yamada-denki.jp

保証の変更内容 

「New The安心」は「ヤマダあんしん保証」と名称が変更となり、2024年5月1日以降に順次適用となります。年会費は4,015円と変更はありませんが、最大2割引の特典がなくなってしまいました。この保証を継続利用している人はサービスを途中で辞めることはほとんどないので、既存会員にとっては実質値上げとなってしまっています。この値上げで業績に影響しそうなのが、ジャパンワランティサポート株式会社(証券コード:7386)通称JWSです。 

www.yamada-denki.jp

JWSの事業概要 

ジャパンワランティサポート(以下、JWS)は、家電や住宅設備機器を製造又は販売する住宅設備供給事業者と提携し、住宅設備機器の延長保証事業を展開している BtoBtoCの事業形態です。JWSは住宅設備機器の故障による修理対応や不具合の解決を事業者に代わり行います。住宅設備機器のメーカー保証期間は通常1~2年ですが、JWSはメーカー保証期間を含む最長10年にわたってサービスを提供しています。 

ビジネスモデル 

JWSは提携企業と購入者の間で延長保証契約が締結された際に収受する業務委託料から事務手数料を控除した残高は前受収益及び長期前払受収益に計上され、保証期間に亘って、毎月売上計上されるストックビジネスです。2022年9月期有価証券報告書にはJWSのビジネスモデルが図化されているので、興味がある方はご一読ください。 

KPI 

JWSは「営業利益」と「売上高」を特に重要視する経営指標としています。事業拡大を計るKPIとしては「有効会員数」を目標値として設定しています。有効会員数は、過去にサービスに登録された全会員から、保証期間が終了した会員を差し引いた、サービスのの会員として有効な登録数です。有効会員に係る業務受託料がサービスにおいて按分計上される売上となることから有効会員数をKPIに設定しているようです。 売上高と有効会員数の推移は以下の通りです。

  17/9期 18/9期 19/9期 20/9期 21/9期 22/9期
売上高(百万円) 350 521 742 1,057 1,251 1,446
有効会員数(千件) 447 583 758 934 1,132 1,350

JWSとヤマダデンキとの関係 

 JWSは延長保証事業において、株式会社ヤマダデンキに対する販売実績の総販売実績に対する割合が2021年9月期に20.3%、2022年9月期に25.3%と最も多い取引先 となっています。ヤマダデンキの「New The安心」の保証サービス変更による実質値上げがJWSへの売上にどのような影響を及ぼすかは明確ではありませんが、売上に関わる要因となる可能性が考えられます。特に、2024年度以降には新規有効会員数の増加が売上の増加に寄与する可能性があります。 その他の取引先として株式会社交換できるくん(証券コード:7695)等があります。取引先の企業一覧は一般社団法人日本PVプランナー協会の資料P12をご覧ください。

JWSの競合他社 

競合他社として日本リビング保証(証券コード7320)があげられます。日本リビング保証は「おうちのトータルメンテナンス事業」(売上高構成比58.2%)、「BPO事業」(売上高構成比37.6%)及び「その他」(売上高構成比4.2%)の事業を展開しており、JWSより BPO事業の割合が高くなっています。日本リビング保証の「おうちのトータルメンテナンス事業」のセグメント利益率は5.8%(22/6期)に対して、JWSの営業利益率は38.4%(22/9期)とJWSの方が利益率が高くなっています。 

まとめ 

JWSは提携企業と共同で延長保証事業を展開しており、売上計上のビジネスモデルを持っています。家電量販店のヤマダデンキの保証サービス「New The安心」の変更による実質値上げが、JWSにどのような影響を与えるかは、売上に関わる要因として注目されるところです。競合他社として日本リビング保証も存在し、異なるビジネスモデルと利益率を持っています。今後の動向に注目が集まるでしょう。 

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【イベントレポート|資産運用EXPO夏】気になる株式、不動産等の投資商品の総合展の内容をご紹介

はじめに 

不動産、株式、保険、金など、あらゆる投資商品が一堂に出店する資産運用EXPO夏に行ってきました。このEXPOはRX Japan株式会社が主催しており、著名人による無料セミナーもあります。 

資産運用EXPO入り口看板

資産運用EXPO入り口看板

www.am-expo.jp

資産運用EXPO夏の概要 

資産運用EXPOは今回で第2回目の開催となります。ただし、資産運用EXPO関西や資産運用EXPO春は別途開催されています。以下は今回EXPOの概要です。 

【開催日時】 

2023年7月7日(金)~2023年7月9日(日) 

10:00~18:00(最終日のみ17:00) 

【開催場所】 

東京ビックサイト西1・2ホール 

【来場者】 

10,340名 

【入場料】 

事前登録で入場料無料 

事前登録がない場合は5,000円 

 

見どころ 

資産運用EXPO夏では、不動産、株式、保険などの投資に関わる商品が多く紹介されていました。変わった商品としては、ウイスキー樽や時計、ブルーベリー農園経営の投資商品がありました。 出展での紹介以外では、著名人による無料セミナーもありました。 年齢層は若者もいましたが、年配の方の方が多かった印象です。

出展されている投資商品 

出展されている投資商品は不動産が多く出展されていました。出展企業では登録したネームプレートのバーコードの読み取りやwebアンケート、Line登録で、ウイスキーの試飲や書籍、お菓子などが無料で配布されていました。ただし、webアンケートやLine登録では電話番号も登録しないといけない場合もあるので、個人情報が気になる方は注意してください。少なくともメールアドレスは提供してしまうことは覚悟しましょう。 

会場内を歩いている人に対しては出展企業関係者から無理な売り込みはなかったので、そこは安心しても大丈夫です。 

中には利回り70%とにわかには信じられない商品もありましたので、きちんとリスクを理解してお話を聞きましょう。 

会場に向かうまでに投資に関する営業で声をかけてくる人もいたので、興味がない人は無視しましょう。

ウイスキー樽の投資商品看板

ウイスキー樽の投資商品看板

高級時計の投資商品のセミナーの様子

高級時計の投資商品のセミナーの様子

利回り70%!?の投資商品

利回り70%!?の投資商品

シイタケ栽培の投資商品

シイタケ栽培の投資商品

投資セミナー 

私は8日(土)に開催された経済アナリストの馬渕磨理子さんのセミナーを聴講しました。馬渕さんはYouTubeでも経済に関する情報を発信されており、前からセミナーを聞いてみたいと思っていました。馬渕さんの講演では今年の日本やアメリカの株価の見通しや懸念、銘柄の発掘のヒントなど非常に有益なお話を伺うことができました。 

その他9日(日)の専業投資家のDAIBOUCHOUさんの講演も聞いてみたかったのですが、都合が合わず聴講は見送りました。他の著名人としては投資家の桐谷広人さんの特別講演もありました。 

mabuchimariko.jp

まとめ 

資産運用EXPO夏は、様々な投資商品が一斉に紹介されている展示会でした。中には怪しい投資商品もありましたが、投資セミナーは非常に有益でした。気になる著名人の投資セミナーだけを聴講しにいくのがおすすめです。個人情報が気になる方は出展されている投資商品は見に行く価値はないでしょう。資産運用EXPOは東京では春夏2回、大阪で秋に1回開催されますので、時間がある方はぜひ来場してみてください。 

 

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【イベントレポート|ジャパンドローン2023】ドローン市場の最新トレンドをお届け

はじめに 

最新のドローン市場の情報を知ることができるジャパンドローン2023に行ってきました。この展示会は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(略称JUIDA:Japan UAS Industrial Development Association)が主催しており、国内外の企業が参加しています。JUIDAは2014年に設立し、非営利・中立の立場で無人航空機の産業振興、及び市場創造支援に取り組んでいます。 

ジャパンドローン2023会場入り口

ジャパンドローン2023会場入り口

ジャパンドローン2023の概要 

ジャパンドローン2023は次世代エアモビリティEXPOと一緒に開催されており、新たな産業創出と国際競争力の強化に貢献する展示会となっております。今回で第8回目の開催でした。以下は展示会の概要です。 

【開催日時】 

 2023年6月26日(月)~28日(水) 

 10時~17時 

【開催場所】 

 幕張メッセ 

【出展社数】 

 250社 

【来場者】 

 19,008名 

ssl.japan-drone.com

会場内の様子

会場内の様子

見どころ 

ジャパンドローン2023では、災害復旧や物流に使えるドローンが多く紹介されておりました。今回の展示会に行くまでの私のドローンの印象は、小型ドローンで手動で操縦するものと思っていましたが、実際の展示物を見て印象が変わりました。 展示物の多くは中・大型ドローンが多く、そのほとんどが自律飛行が可能なドローンでした。特に興味を持ったのはドローンポートです。 ドローンポートはドローンの離着陸や充電ができる小型の格納庫のことです。 以下に私が興味を持った2つのドローンポートをご紹介します。 

大型ドローン

大型ドローン

G6.0 & NEST 

KDDI(9433)は2022年1月に連結子会社KDDIスマートドローン株式会社」を設立し、ドローン事業を継承しています。このKDDIスマートドローン(株)はG6.0 & NESTを展示していました。 

G6.0は500mmの小型自律飛行ドローンであり、NESTはG6.0の離着陸と充電が可能なドローンポートです。 NESTは開閉装置とドローン用の台座があるだけで比較的シンプルな印象を持ちました。もちろん中にはヒーターが内蔵されており、寒くてもドローンが飛ぶような機構が用意されております。 G6.0 & NESTは大林組(1802)のダム建設現場で無人測量の実証されているようです。

G6.0 & NEST

G6.0 & NEST

DJI DOCK 

DJI DOCKはまだ国内では販売されていないようですが、いくつかの企業で展示されていました。国内ではまだ実績はないようですが、国外では既に運用されており、実績もあるとのことでした。ドローンが離着陸できる台座の下は中身が見えないようになっていましたが、排熱機構があるとのことでした。台座の下は十分な空間があるため、排熱機構以外にも何かありそうと勘ぐってしまいました。ドローンポートの開き方はDJI DOCKの方がかっこよかったです。 

DJI DOCK

DJI DOCK

まとめ 

ジャパンドローン2023は、最新のドローン市場を調査するには非常によい機会となりました。企業の方が多かったですが、ご年配の方や学生のちらほらいて老若男女問わず関心が高いと感じました。私は特にドローンポートに関心を持ちましたが、水中ドローンや物流ドローンなど非常に魅力的な展示品や情報がありました。ジャパンドローンの展示会は毎年同じ時期同じ会場で開催されていますので、時間がある方はぜひ来場してみてください。今回はドローンが小型から中・大型ドローンで活用を検討されていることを感じ、来場してみてよかったと思います。ドローンの最新情報に目を向けながら、ドローンの世界をさらに探求していきたいと思います。 

 

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【株主総会レポート】オリックス|10の事業セグメントを持つ多角的な事業展開をする企業の 事業内容や質疑応答の内容

はじめに 

オリックス株式会社から第60回定時株主総会の招集案内が届きました。インターネット上でも議決権を行使することができますが、今回は大企業であるオリックス株主総会の雰囲気を知るために実際に現地へ足を運んでみました。オリックス株主総会の様子をご報告いたします。 

オリックス(8591)の事業内容 

オリックス株式会社は1964年4月に設立された会社で、現在は連結子会社1006社および関連会社152社から構成されています。時価総額は3兆1705億円で上場企業の中で59番目に大きい企業です(2023年6月25日時点)。現在の事業は以下の10のセグメントで構成されています。 

  • 法人営業・メンテナンスリース|金融、各種手数料ビジネス、自動車および電子計測器・IT関連機器などのリースおよびレンタル
  • 不動産|不動産開発・賃貸・管理、施設運営、不動産のアセットマネジメント 
  • 事業投資・コンセッション|企業投資、コンセッション 
  • 環境エネルギー|国内外再生可能エネルギー、電力小売、省エネルギーサービス、ソーラーパネル・蓄電池販売、廃棄物処理 
  • 保険|生命保険
  • 銀行・クレジット|銀行、カードローン 
  • 輸送機器|航空機のリース・管理、船舶関連投融資 
  • ORIX USA|米州における金融、投資、アセットマネジメント 
  • ORIX Europe|株式・債券等のアセットマネジメント 
  • アジア・豪州|アジア・豪州における金融、投資 

法人営業・メンテナンスリースのセグメントが一番大きな利益を占めており、全体の45%を構成しています。 オリックスは10の事業を展開しており、グローバルに見ても同様の事業をしている企業はないとのことです。 

株主総会の概要 

下記の通りオリックス株主総会の詳細を示します: 

【開催日時】 

 2023年6月22日 午前10時 

 (受付開始:午前9時) 

【開催場所】 

 グランドプリンスホテル新高輪「飛天」 

www.princehotels.co.jp

【議案】 

 ・第1号議案 取締役11名選任の件 

 ・第2号議案 取締役1名解任の件 

株主総会の雰囲気 

会場に向かうためにJR品川駅を降りたら道が分岐する度に会場の道案内看板を持った人が立っていたので、スマホで地図を確認しなくてもたどり着くことができました。 

会場前ではお水を配布しておりました。会場はかなり大きく、1000名以上は余裕で座れるほどの席がありました。若い方も多く、一般の方が大半のように感じました。スーツ姿の男性も多かったですが、女性も一定数いました。 

株主総会の様子は撮影されていて、株主向けにインターネットによるライブ配信が行われていました。映像は録画もされていて、後日誰でも以下リンクから視聴することができます。

www.orix.co.jp

 

 

株主総会会場入り口

株主総会会場入り口

株主総会会場までのホテル内の様子

株主総会会場までのホテル内の様子

配布された飲料

配布された飲料

株主総会の進行 

株主総会の進行は以下の通りでした: 

・開閉の挨拶 

・事業内容の説明(録画) 

・業績の総括及び今後の戦略 

・質疑応答 

・決議事項 

 

決議事項に関しては、事前のインターネットによる議決権の行使の結果が過半数を占めていることが議長から告げられました。事業内容の説明は、既存の資料を基に作成され、録画されたスライドが流されました。質疑応答には1時間以上の時間が割かれました。株主総会は11時50分に閉会しました。 

質疑応答 

質問は、挙手をしてから配布された番号と氏名を名乗って行われました。主な質疑応答の内容は以下の通りです: 

 

Q:PBR1倍を達成するための対策はあるか? 

A:過去の実績からROEとPBRの相関があることが分かっているため、ROEの向上を行っていく。24年3月期にROE 9%、25年3月期にROE 10.4%の達成に向け最大限の努力をする。 

 

Q:オリックスは総合商社なのか、もしくはリース会社なのか? 

A:当初はリース会社として設立されたが、現在は多くの事業を展開しているため、単なるリース会社と位置付けることはできない。また、総合商社とも異なり、グローバルに見ても同様のビジネスモデルはないという認識である。 

 

Q:株主総会の開始日時の変更は考えていないのか? 

A:来年の株主総会も本総会が閉会次第押えなければならないため、日時を変更することは難しい。 

 

質問者の中には、同じホテルで実施されていたNTTの株主総会を途中で抜け出して、オリックスに質問している方もいました。また、現在は手土産が廃止されていますが、手土産を復活させてほしいという要望を伝える株主もおり、その時には少数ながら拍手が起こりました。また、オリックスが買収した小林化工株式会社の不祥事に関する賠償についてや、同じく買収したDHCの差別発言による教育方針など、買収企業に関連するネガティブなニュースに関する質問もいくつかありました。 

まとめ 

初めてオリックス株主総会に参加しました。ほとんどが一般の株主の方の質問であり、質問しやすい雰囲気でした。これまでIRなどで確認することしかできなかった情報が、株主総会への参加によってより具体的に感じられました。他の株主の関心事や意見も知ることができため、参加して良かったと感じています。

株主優待は廃止されますが、配当金の増額や自社株買いなどで株主還元を強化する方針も示しています。オリックスは長期的な視点で事業を展開しており、その成果が株価に反映されることを期待しています。 

 

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【イベント】画像センシング展2023|赤外線とToFセンサの最新動向を紹介

 

はじめに 

画像処理機器やセンシング技術の最新情報を知ることができる画像センシング展2023に行ってきました。この展示会はアドコム・メディア株式会社が主催しており、国内外の企業が参加しています。今回は、会場の様子や私が注目した機器について紹介します。 

www.adcom-media.co.jp

画像センシング展の概要 

画像センシング展は、最新の画像処理技術に関連する機器やソリューションを展示する国内最大級の専門展です。今年で37回目の開催となり、前回よりも出展社数や来場者数が増加しました。以下は展示会の概要です。 

【開催日時】 

 2023年6月14日(水)~2023年6月16日(金) 

 10時~17時 

【開催場所】 

 パシフィコ横浜 

www.pacifico.co.jp

【前回出展社】 

 121社 

【来場者数】 

 10,008人 

画像センシング展

画像センシング展

見どころ 

画像センシング展では、さまざまな分野で活用される画像処理機器やセンシング技術が紹介されていました。中でも、私が特に興味を持ったのは、SWIRカメラとToFセンサです。これらは、人間の目では見えない光を利用して、被写体の距離や形状、内部構造などを可視化することができます。 

会場の様子

会場の様子

SWIRカメラ 

SWIRとは、Short-Wave Infrared(短波長赤外線)の略称です。赤外線の波長帯域であり、特定の物質や現象を検出することができます。例えば、水分や有機物質はSWIR領域で強く吸収されるため、透明な材料や生体組織などの内部構造を観測することができます。また、霧や煙などはSWIR領域で散乱されにくいため、暗い環境や視界不良の状況でも高解像度の画像を得ることができます。 SWIRカメラは、人間の目では見えない光を捉えることで、通常の可視光線カメラでは得られない情報を提供します。 

このような特性を持つSWIRカメラは、画像センシング展においても多くの企業が展示していました。 SWIRカメラの性能はセンサーに依存しており、多くの企業がソニー社製のセンサーを使用していたため、性能面ではほとんど差がありませんでしたが、防水性や排熱・通信方式などの違いがありました。価格帯は100万円~200万円前後です。

www.sony-semicon.com

 

ToFセンサ 

ToFとは「Time of Flight」の略称で、被写体までの光の飛行時間を計測し、被写体の距離や形状を3次元的に計測することができます。こちらも多くの企業がソニー社製のセンサを使用している印象を受けました。 価格帯は50万円前後が一般的です。

凸版印刷株式会社(7911)は、新しい方式のToFカメラを展示しており、屋外でも20m先まで計測可能な性能を備えていました。他の企業が販売しているToFカメラの範囲は約5m程度であるため、凸版印刷のToFカメラは非常に優れた性能を持っていると感じました。ToFカメラは、夜間の侵入者の検知やタッチレス入力操作、MR技術など、さまざまな応用が可能です。 

www.toppan.co.jp

まとめ 

画像センシング展2023は、画像処理技術や解析技術に関する最新情報が展示され、貴重な機会となりました。私は特にSWIRカメラとToFセンサに興味を持ちましたが、他にも多くの魅力的な展示品や情報がありました。画像センシング展は毎年同じ時期に開催されているため、時間がある方はぜひ来場してみることをおすすめします。新しい技術の進歩に目を向けながら、画像センシングの世界をさらに探求していきたいと思います。  

 

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【イベント】MATLAB EXPO 2023 JAPAN|最新のMATLAB活用事例と魅力を紹介

はじめに 

MathWorksが主催するMATLAB EXPO 2023 JAPANに参加してきました。このイベントでは、MATLABの最新の技術や活用事例が紹介され、MATLABの可能性を感じることができました。今回は、会場の雰囲気や聴講した基調講演の内容についてお伝えします。 



www.matlabexpo.com

看板

MATLAB EXPO

MATLABとは 

MATLABは、MathWorksというアメリカの企業が提供している技術計算言語環境です。MATLABを利用することで、人工知能やアプリケーションの開発など、さまざまな処理を行うことができます。MATLABプログラミング言語としての機能だけでなく、数値計算やデータの可視化、シミュレーションなどの機能も備えています。 

MathWorksMATLABに関連するさまざまなツールボックスやライブラリを提供しており、それらのツールを使うことでより幅広い領域での処理や解析が可能となります。また、MathWorksMATLABの使い方に関するドキュメントやチュートリアルも充実しており、初心者でも比較的簡単に学習を進めることができます。 

MathWorksは日本でのサポート体制も充実させています。個人利用者にもライセンスを提供しており、私も個人ライセンスを使っており、時系列解析や点群処理などの分野で活用しています。MATLABは幅広い分野での利用が可能であり、多くの研究者やエンジニアに使われているツールです。 

jp.mathworks.com

MATLAB EXPO 2023 JAPANの概要 

MATLAB EXPO 2023 JAPANは、MathWorksが開催するイベントで、MATLABの最新の技術や活用事例について学ぶことができる貴重な機会です。以下がイベントの概要です。 

 

【開催日時】 

2023年5月31日 

【開催場所】 

グランドニッコー東京 台場 

東京都港区台場2-6-1 

www.tokyo.grandnikko.com

【見どころ】 

基調講演では、現場などの第一線でMATLABを活用した事例やMathWorksのサポート状況等が紹介されます。また、ポスターセッションでは、MATLABに関するさまざまなテーマについて発表され、質問や意見交換ができます。 

 

EXPO参加者にはMATLABの基本関数がすぐに分かるクリアファイルがもらえました。関数に悩んだときには便利そうです。

クリアファイル

クリアファイル

MATLAB EXPOの雰囲気 

私は12時ごろに到着しましたが、その時間から会場は混雑し始め、移動するのも大変でした。MATLAB EXPOはコロナ禍でしばらく会場での開催ができなかったようですので、今回は大盛況だったように感じられます。 

ただし、会場自体はあまり広くないため、一通り回るだけなら1時間もかからないと思います。会場では東芝やOMRONなどが展示しており、ソリューション提供のブースが多かったです。会場内にはコーヒーやお水を自由に飲めるスペースもありました。また、MATLABプログラミングコンテストも行われ、フィボナッチ数列を5行で作る関数を競うものでしたが、私は挑戦しませんでした。上位入賞者には豪華な景品が贈呈されるようです。 

混雑状況

会場の様子

休憩スペース

休憩スペース

コンテスト内容

コンテスト内容



講演会の内容 

私は以下2件の基調講演を聴講しました。 

(1)「広域データ収集とビッグデータ解析で廃棄物処分場のカオスに挑む」 

(2)「画像認識AIとLiDARを用いた農業機械周辺における人検出」 

 

(2)では席のほとんどが埋まっていて多くの人が関心のある内容のようでした。内容としては被験者の服の色等を変えたうえで農作業の動作である「立位」、「中腰」、「しゃがみ」を数百枚再学習させて検出精度を検証しておりました。さらに、LiDARと画像をキャリブレーションして農業機械と人との距離を算出しており、目標は安全行動を行うシステムを開発することとのことでした。質疑応答では、LiDARと画像の組み合わせに関する今後の検討状況などについても活発な議論が行われました。 

画像とLiDARを組み合わせて解析することで精度向上が望めますし、できることも幅広くなるので私も非常に興味がある分野でした。今後画像とLiDARを組み合わせた開発が広がっていけば嬉しいです。 

基調講演の資料は以下に公開されています。

www.matlabexpo.com

まとめ 

MATLAB EXPO 2023 JAPANは、MathWorksが開催するイベントで、MATLABの活用事例や最新の技術について学ぶことができる貴重な機会でした。会場は混雑していましたが、様々な企業が展示しているブースやポスターセッションなど、興味深いコンテンツが満載でした。また、基調講演ではMATLABの実践的な活用事例が紹介され、今後の展望についても議論されました。私自身、MATLABを使ってさまざまな解析や処理を行っているので、このようなイベントに参加できて大変満足しています。次回のMATLAB EXPOも楽しみです。 

 

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【株主総会】三陽商会 株主総会に参加してきました

 

はじめに 

株式会社三陽商会から第80期定時株主総会の招集案内が届きました。インターネット上でも議決権を行使することができますが、今回は株主総会の雰囲気を知るために実際に現地へ足を運んでみました。 

www.sanyo-shokai.co.jp

招集通知書

三陽商会(8011)の事業内容 

三陽商会は1943年に設立された会社で、紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売を行っています。時価総額は現在200億円(2023年6月4日時点)です。かつてはイギリスのファッションブランド「バーバリー社」とのライセンス契約を結び、バーバリーブランドの販売も行っていましたが、2015年にその契約は終了しました。 

2023年6月現在、三陽商会は以下の7つの主要ブランドを展開しています: 

・BLACK LABEL 

・BLUE LABEL 

・MACKINTOSH LONDON 

・MACKINTOSH PHILOSOPHY 

・Paul Stuart 

EPOCA 

・婦人服(AMACA, EVEX, TO BE CHIC) 

 

2023年2月現在、売上の大部分は百貨店での販売が中心で、売上の約65%が百貨店によるものです。

 

株主総会の概要 

下記の通り三陽商会の以下に三陽商会株主総会の詳細を示します: 

【開催日時】 

2023年5月30日 午前10時 

(受付開始:午前9時) 

【開催場所】 

ホテルグランドヒル市ヶ谷 東館3階 瑠璃 

 

【決議事項】 

・余剰金の処分の件 

・取締役7名選任の件 

www.ghi.gr.jp

 

ホテルグランドヒル市ヶ谷

ホテルグランドヒル市ヶ谷

株主総会の雰囲気 

私が到着したのは9時50分ごろでした。会場には約50人程度の人が集まっており、スーツ姿の男性が8割程度を占めていました。外見から判断すると、40~50代の方々が多い印象でした。会場のスタッフの方々はとても親切で、私が写真を撮ることを許可してくださいました。株主用の椅子も十分に用意されており、隣の人との間隔を十分に空けて座ることができました。 

会場入り口

会場入り口

株主総会の進行 

10時になり、社長を含む取締役の方々が9人登壇し、株主総会が始まりました。進行は以下の通りでした: 

次第は以下の通りです。 

・業績結果の説明 

・中期経営計画の説明 

・質疑応答 

・決議事項 

  

業績結果や中期経営計画の説明は、既存の資料を基に作成されていました。質疑応答には約1時間ほどの時間が割かれました。決議事項に関しては、賛成の意思表示は拍手で行われ、10分程度で終了しました。質疑応答が時間を要したため、株主総会は11時45分ごろに閉会しました。 

配布資料

配布資料

質疑応答 

質問は、挙手をしてから配布された番号と氏名を名乗って行われました。主な質疑応答の内容は以下の通りです: 

 

Q:ROEやPBRの向上等株主還元に関わる企業価値換算に向けた取り組みは考えているか? 

A:まずは今期・来季の黒字を継続・定着させ、投資家の信頼を得たい。長い目で見てほしい。 

 

Q:現預金の保有について考えはあるか? 

A:アパレル業界は季節性がありキャッシュが必要な時期が異なる。現預金の余裕があることは事実のため、プロモーションやシステム投資を積極的に実行していきたい。基本方針として現預金は新たな収益に繋げていきたい。 

 

Q:ブランド7つのうち自社ブランドはいくつか? 

A:ライセンス契約は4つ、自社ブランドは3つである。ライセンス契約の解除のリスクはあり、契約解除にならないための決め手となる施策はない。自社ブランド化できないかは模索していきたい。 

 

Q:社員還元の具体例は? 

A:賞与(ボーナス)を大幅に増加させた。またエンゲージメントの強化として経営メッセージの発信や若手との社長の対話会を実施している。 

 

Q:海外工場で生産される商品が多く、日本産の商品が少ないのではないか? 

A:数量で85%が海外生産である。設計までは自社工場で実施し、量産は海外で行う体制としている。 品質管理についてはしっかり実施している。また、自社工場生産の商品をプレミアム化する取り組みをしている。 

 

Q:今後の成長戦略は? 

A:高付加価値高単価商品のため百貨店のお客様と親和性が高いため、百貨店販路をベースにしていきたい。百貨店では従来の富裕層だけではなく、若い世代の顧客も増えてきている。百貨店の効率化も進んでいて損益分岐点も下がっている。ECのリプレイスもあり、ECも強化していくが、高価格高単価の商品のためリアル店舗を軸に進めていきたい。

 

まとめ 

初めて三陽商会株主総会に参加しました。会場となったホテルは広々とした空間で、好印象でした。残念ながら三陽商会株主総会の録画・公開を行っていないようですが、株主総会に実際に参加することで、雰囲気を体感することができました。質問者の多くが法人の方々であり、どのような関心事を持っているのかが分かり、参加して良かったと感じました。 

 

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