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【企業分析|JWS(7386)】ヤマダデンキの保証サービス変更による売上の影響を調査

はじめに 

この記事では、家電量販店のヤマダデンキが提供している「New The安心」の保証サービス内容が変更されることによる影響を調査しました。サービス内容の変更に伴い、年会費の割引特典がなくなり、既存会員にとっては実質的な値上げが発生します。その結果、この値上げがジャパンワランティサポート株式会社(証券コード:7386)通称JWSにどのような影響を及ぼすかを調査しました。 

www.jpwsp.com

ヤマダデンキの保証サービス 

ヤマダデンキが取り扱っている「New The安心」の保証内容は、他店で購入した家電製品を含めた長期保証サービスです。年会費は4,015円(税込)で、毎年3,000円分の商品割引券が提供されます。さらに、2年以上出張修理を利用しなかった場合には2割引3,212円(税込)になり、商品割引券と併せることで実質212円で保証サービスに加入できることになります。しかし、2023年1月15日をもって「New The安心」の新規受付が終了し、既存会員については2024年5月1日以降に新しい保証へ順次変更されます。

 

www.yamada-denki.jp

保証の変更内容 

「New The安心」は「ヤマダあんしん保証」と名称が変更となり、2024年5月1日以降に順次適用となります。年会費は4,015円と変更はありませんが、最大2割引の特典がなくなってしまいました。この保証を継続利用している人はサービスを途中で辞めることはほとんどないので、既存会員にとっては実質値上げとなってしまっています。この値上げで業績に影響しそうなのが、ジャパンワランティサポート株式会社(証券コード:7386)通称JWSです。 

www.yamada-denki.jp

JWSの事業概要 

ジャパンワランティサポート(以下、JWS)は、家電や住宅設備機器を製造又は販売する住宅設備供給事業者と提携し、住宅設備機器の延長保証事業を展開している BtoBtoCの事業形態です。JWSは住宅設備機器の故障による修理対応や不具合の解決を事業者に代わり行います。住宅設備機器のメーカー保証期間は通常1~2年ですが、JWSはメーカー保証期間を含む最長10年にわたってサービスを提供しています。 

ビジネスモデル 

JWSは提携企業と購入者の間で延長保証契約が締結された際に収受する業務委託料から事務手数料を控除した残高は前受収益及び長期前払受収益に計上され、保証期間に亘って、毎月売上計上されるストックビジネスです。2022年9月期有価証券報告書にはJWSのビジネスモデルが図化されているので、興味がある方はご一読ください。 

KPI 

JWSは「営業利益」と「売上高」を特に重要視する経営指標としています。事業拡大を計るKPIとしては「有効会員数」を目標値として設定しています。有効会員数は、過去にサービスに登録された全会員から、保証期間が終了した会員を差し引いた、サービスのの会員として有効な登録数です。有効会員に係る業務受託料がサービスにおいて按分計上される売上となることから有効会員数をKPIに設定しているようです。 売上高と有効会員数の推移は以下の通りです。

  17/9期 18/9期 19/9期 20/9期 21/9期 22/9期
売上高(百万円) 350 521 742 1,057 1,251 1,446
有効会員数(千件) 447 583 758 934 1,132 1,350

JWSとヤマダデンキとの関係 

 JWSは延長保証事業において、株式会社ヤマダデンキに対する販売実績の総販売実績に対する割合が2021年9月期に20.3%、2022年9月期に25.3%と最も多い取引先 となっています。ヤマダデンキの「New The安心」の保証サービス変更による実質値上げがJWSへの売上にどのような影響を及ぼすかは明確ではありませんが、売上に関わる要因となる可能性が考えられます。特に、2024年度以降には新規有効会員数の増加が売上の増加に寄与する可能性があります。 その他の取引先として株式会社交換できるくん(証券コード:7695)等があります。取引先の企業一覧は一般社団法人日本PVプランナー協会の資料P12をご覧ください。

JWSの競合他社 

競合他社として日本リビング保証(証券コード7320)があげられます。日本リビング保証は「おうちのトータルメンテナンス事業」(売上高構成比58.2%)、「BPO事業」(売上高構成比37.6%)及び「その他」(売上高構成比4.2%)の事業を展開しており、JWSより BPO事業の割合が高くなっています。日本リビング保証の「おうちのトータルメンテナンス事業」のセグメント利益率は5.8%(22/6期)に対して、JWSの営業利益率は38.4%(22/9期)とJWSの方が利益率が高くなっています。 

まとめ 

JWSは提携企業と共同で延長保証事業を展開しており、売上計上のビジネスモデルを持っています。家電量販店のヤマダデンキの保証サービス「New The安心」の変更による実質値上げが、JWSにどのような影響を与えるかは、売上に関わる要因として注目されるところです。競合他社として日本リビング保証も存在し、異なるビジネスモデルと利益率を持っています。今後の動向に注目が集まるでしょう。 

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