30代のほったらかし資産形成ー穏やかな未来への計画ー

運用スタイルは中・長期です。東京近郊でお得に楽しむ株主優待体験やイベント、決算内容を紹介します。

【企業分析|8011三陽商会】PBR改善計画と業績修正を発表しました

はじめに

株式会社三陽商会証券コード:8011)は、2023年10月6日11時に2024年2月期第2四半期の決算を発表しました。この発表は場中に行われ、同時に業績修正とPBR改善計画も発表されたため、その日の内に同社の株価はストップ高となりました。

この記事では、三陽商会の決算内容に加え、筆者独自の注目ポイントを交えて解説します。詳細なIR情報は三陽商会の公式ページをご確認ください。

www.sanyo-shokai.co.jp

三陽商会の事業概要

三陽商会は、時価総額285億円(2023年10月6日時点)、従業員数1,179人(2023年2月時点)を擁するファッションアパレルメーカーです。過去にはイギリスのファッションブランド「バーバリー社」とのライセンス契約を持ち、バーバリーブランドの販売も行っていましたが、その契約は2015年に終了しました。三陽商会は現在、自社ブランドを含む7つのブランドを展開しています。

第2四半期の決算内容

同社の第2四半期累計売上高は281.5億円、営業利益は7.1億円、純利益は7.4億円となっています。月次の販売実績を見ると、3月から8月までの期間で前年比売上が増加しており、順調な成績を収めています。

この好調な結果には、人流の増加やインバウンド需要の拡大が主力の百貨店などの実店舗への集客を回復させたこと、各種イベントの復活によるオケージョン対応商品の需要増、さらに設立80周年の記念商品の投入が貢献しました。春夏物のプロパー商材が期待を上回る売上高を達成した背後にはこれらの要因があります。

ただし、9月は盛夏商品の好調に対照的に、秋冬物の初動が鈍く、リアル店舗販売が前年並みにとどまり、ECサイトのリニューアルに伴う稼働停止期間があったことから、EC売上が前年比で大幅に減少し、全体的な業績は前年を下回りました。アパレル市況も全国的に残暑が続いたため、秋冬物の稼働が伸び悩み、他の服飾メーカーも同様に低調な結果を報告しています。

決算内容

決算内容(引用:三陽商会IR資料)

上方修正

同社は第2四半期の発表と同時に業績上方修正も発表しました。売上高は人流回復やインバウンド需要の拡大、外出機会増加、各種イベントの復活、記念商品の投入などにより、前回の予想を上回る結果となりました。利益についても、プロパー販売の強化と値引き販売の抑制が計画通りに進展し、販管費が予想を下回ったことから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も前回予想を上回りました。

さらに、配当予想についても変更があり、中期経営計画で設定された2024年2月期の株主還元目標をDOE(株主資本配当率)2%からDOE 3%に引き上げました。これに伴い、2024年2月期の期末配当予想も1株当たり59円から29円増配の88円に修正されました。

PBR改善計画

三陽商会は業績発表と同時に「PBR改善計画」を発表しました。この計画では、PBRの改善を図るために、ROE株主資本利益率)の改善とPER(株価収益率)の向上に向けた具体的な施策を策定・実行することが含まれています。現時点でのPBRは0.69倍(2023年10月6日現在)です。

具体的な目標として、ROEは株主資本コストを上回る8.5%、営業利益は中期経営計画に定めた43.8億円、営業利益率は7%、DOEは4%を設定しています。

PBR改善

PBR改善(引用:三陽商会IR資料)

筆者の着目ポイント

同社は今回の上方修正で第2四半期の営業利益が200百万円から718百万円(259%増加)に上方修正されましたが、1Qの時点で既に1,035百万円の利益を計上していたため、この上方修正は予想通りだった可能性が高いです。むしろ、2Qの営業利益が-317百万円となっていたことに注目が必要です。

1Qの売上に対する販管費率は56%であり、2Qの販管費率は63%です。1Qベースの販管費率56%を基準とすると、2Qの販管費が885百万円増加したことが分かります。この販管費の増加が持続的であれば、今後の利益率は伸び悩む可能性があります。

現在の計画では、販管費が35,400百万円、売上高が64,500百万円の予想となっており、販管費率は58%です。この点から2Qの販管費率が63%だったことが大きな影響を及ぼしていることがわかります。

販管費の推移(引用:三陽商会IR資料)

販管費の推移

2Q累計の販管費実績の内訳を確認すると、ベア実施などによる販管費の増加が約1.5億円程度であることが分かります。また、株主総会でベア実施の拡充を計画していたことから、この増加は予測通りのものと思われます。その他の販管費に関しても、決算資料からは予定通りの計上と思われます。

株主総会の様子もレポートしています。

moririn-code.hatenablog.com

利益進捗率については、上方修正後の経常利益進捗率が24.6%と厳しく見えますが、アパレル業界は季節性があるため、寒冷な秋・冬に向けた衣料品の売り上げが増加する傾向があります。昨年度の3Qの営業利益が1,345百万円、4Qの営業利益が1,207百万円であったことから、3Qから4Qにかけて2,552百万円の利益が計上されました。したがって、昨年度の利益を実現できれば今期の目標を達成する見込みです。また、同社は月次の売上データを公開しており、これを活用して今後の予測を立てる手助けができるでしょう。

進捗率

進捗率(引用:マネックス証券

最後に、三陽商会の基本方針として、中期経営計画の売上と利益計画に対して必達を期す姿勢が示されています。この「必達」は強力な指針であり、経営陣の決意が伺えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、株式会社三陽商会の2024年2月期第2四半期報告書に基づく決算内容と筆者の注目ポイントを紹介しました。

三陽商会は、積極的な経営姿勢を示し、業績の持続的な改善と株主還元の向上を図るための計画を進めていることが伺えます。今後の市況や競合他社の動向にも注目が必要です。

同社は10月20日~22日まで株主限定の優待セールが開催予定ですので、その内容も次回お伝えしたいと思います。

投資は自己判断でお願いします。

あなたは決算内容のどこにに注目していますか?ぜひコメントやシェアをお寄せください。

【データ分析】AIの種類

はじめに

AIには様々な分析手法があります。そこで、自身の経験を活かしてAIの種類やその違い、AI活用時の注意点についてまとめてみました。

AIの種類

AIは以下のように分類ができます。

AIの種類

AIの種類

ルールベース型

事前に人間によって定義されたルールや規則を使用して問題を解決します。これらのルールは人間によって設計され、それに従って処理を行います。

 

教師あり学習機械学習

ラベル付きのトレーニングデータを使用して、モデルがデータのパターンを学習するアプローチです。特定の入力に対して正確な出力を予測することが目標で、分類や回帰などのタスクに使用されます。

人が対象をよく観察して特徴量(重要な情報)を設計する必要があります。

 

教師なし学習機械学習

ラベルのないデータから構造やパターンを抽出する手法です。クラスタリング、主成分分析などに使用されます。自動的に分類や次元の削減を行い特徴量を抽出できますが、特徴量の判断は人間が行う必要があります。

 

強化学習機械学習

エージェントと呼ばれる学習主体(AI)が環境内で行動し、その結果として報酬を受け取りながら、最適な行動戦略を学習する方法です。ゲームプレイ、ロボティクス、制御システムなどの領域で応用されています。

例えば、二足歩行ロボットが歩く速度や脚の曲げ方について試行錯誤を行い、長い距離を歩いた場合に報酬を与えるといったことを繰り返し、最終的には倒れずにスムーズな歩行ができることになります。

 

深層学習

多層のニューラルネットワークを使用してデータの高度な表現を学習する手法です。自動的に特徴量を抽出し、非線形関数の組み合わせよる強い表現力が強みです。

ルールベース型と強化学習の違い

正誤判断

ルールベースは、正解が事前に分かっている場合に適しています。一方、強化学習は正解が分かっていなくても、行動の良さを評価して学習することができます。

 

ルール設計

ルールベースは、複雑な問題に対してルールを設定するために膨大な数のルールが必要となることがあります。特に、問題の条件や状況が多岐にわたる場合にはルールの数が増えます。これはメンテナンスと管理が難しく、複雑な問題には適していません。

 

時間的制約

ルールベースは、膨大な行動をすべて探索する場合は、計算コストが高くなります。問題に対して計算上の時間的制約が存在する場合は、計算が間に合うのかを検討する必要があります。

量子コンピュータを活用すれば高速な計算ができる可能性がありますが、まだ実用化されていないことに注意が必要です。

一方で強化学習は、学習時は計算コストが高くなりますが、結果出力時の計算コストは高くありません。

 

環境変化

ルールベースは、環境の変化に対応するためにルールを継続的に調整および最適化する必要があります。新しいルールを追加し、古いルールを修正することが必要です。

一方、強化学習は報酬に応じて、環境の変化に柔軟に対応できます。強化学習は特に、未知の状況に対処するために有用であり、報酬に基づいた学習を通じて最適な戦略を見つけることができます。

 

ルールベース型と強化学習の違い

ルールベース型と強化学習の違い

AI(機械学習)活用時の注意点

AI活用時にどんなことに注意すればよいか自分が経験したことをお伝えします。

取得データ

ノイズが多い画像や音声データではなく、ノイズの少ない信号データは取得した方が適切な結果が出力されます。画像データは外部環境やカメラの内部パラメータによって取得データが一定になりません。外部環境や内部パラメータの変化が許容できるのか、分析手法は許容できるのか、分析したいことをもう一度考えてみましょう。特にこれから収集するデータはノイズが少ないデータを取得する方法の検討することが望ましいです。

 

分析手法

統計分析はシンプルが一番です。近年注目されている深層学習が本当に必要かもう一度考えてみましょう。案外従来の機械学習で十分分析が可能なことが多いです。従来の機械学習を利用するにしても分析の目的を振り返って手法の本質を確認しましょう。

 

データ品質

データの品質の確保は非常に重要です。取得したデータが信頼できない場合、誤った結果を出力する可能性があります。データが信頼でき、正確であることが重要です。取得したデータを何も考えずに学習させるのではなく、取得した生データを可視化して、自分の目で俯瞰して確認してみましょう。

 

データ量

データ量が不十分な場合、特定のパターンに過剰に適合(過適合)し、一般化が難しくなります。やりたいことによって学習データ量は異なりますので、先行文献を調べて必要なデータ量を確認しましょう。先行文献は先人達の知恵です。データの前処理を工夫していることもあるので、積極的に活用しましょう。

 

データ処理

時系列データの場合は欠損データを適切に処理する方法を検討する必要があります。線形補間するのか、欠損データ箇所を削除するのか、二値変換するのか、特徴量に応じて検討しましょう。

ノイズがある場合は適切にフィルタリングする必要があります。移動平均するのか、メディアンフィルター処理をするのか、特徴量に応じて検討しましょう。

 

まとめ

AIの種類や活用する時の注意点について整理しました。AIは深層学習だけではなく、かなり広義な意味合いとなりますので、AIの議論をするときにはAIのうち、どの種類のことかお互いに確認しましょう。この整理がAIに関する理解を深める手助けとなれば幸いです。 

【データ分析】AIの基本知識

はじめに

AIの基本知識について、自分なりに整理して備忘録的に作成してみました。

AIの基本概念

AIとは、人工知能(Artificial Intelligence, AI)のことです。

AI(人工知能)は、人間の思考プロセスに似た方法で動作するプログラムや、人間の知的な活動と同等とみなされる情報処理技術を指します。

この技術分野は、データ解析、機械学習、意思決定など、知的なタスクを自動化し、高度な情報処理能力を備えることを目的としています。

AIのイメージ図

AIのイメージ図

AIの種類

強いAIと弱いAI

AIは「AIが人間の意識や知性を持つかどうか」という観点で「強いAI」と「弱いAI」に分類できます。

強いAI

強いAIは、人間と同等の知性や意識を持つAIを指します。このようなAIは自己意識を持ち、幅広い課題に対処し、独自の思考と判断を行います。しかし、現実世界での実現は非常に困難で、まだ存在しません。

映画「ターミネーター」のスカイネットなど人間のように感情を持ち自身で物事を考えて行動するAIが挙げられます。

弱いAI

弱いAIは、特定の任務やタスクを実行するためにプログラムされたAIを指します。与えられた仕事に対しては自動的に処理できる一方で、プログラムされていない想定外の状況には対応できません。

囲碁棋士に勝利した「アルファ碁」など特定のタスクだけを処理するAIが挙げられます。

汎用型AIと特化型AI

AIは「人間のように広範な課題を処理できるか」という観点で「汎用型AI」と「特化型AI」に分類することもできます。

汎用型AI

汎用型AIは、広範なタスクや課題に対応できるAIを指します。これらのAIは異なるドメインで柔軟に活用でき、新しい課題にも適応できます。強いAIが汎用型AIに該当しますが、弱いAIでも異なる特化型AIを組み合わせて一般的な課題に対処することができる場合があります。

特化型AI

特化型AIは、限られた課題に特化して自動的処理を行うAIを指します。画像認識や音声認識自然言語処理などの技術を持つAIのことです。現在ビジネス領域で広く活用されているAIは特化型AIです。

強いAIと弱いAI、汎用型AIと特化型AIの違い

「強いAI」と「弱いAI」、「汎用型AI」と「特化型AI」は、どんな視点でAIを判断するかという観点の違いから分類されていますが、概念は似ているので「強いAI」=「汎用型AI」、「弱いAI」=「特化型AI」と認識しても大丈夫です。ただし、厳密には異なることには注意が必要です。

強いAIの実現は難しく、現代のAIは主に特化型AIに焦点を当てています。未来の発展に向けて、AIの能力向上と汎用性の向上が進行中です。

AIの分類

AIの分類

まとめ

AIの基本的な概要について整理しました。強いAIや特化型AIはよく聞く用語ですが、この整理がAIに関する理解を深める手助けとなれば幸いです。 AIの進化は今後も続くでしょう。

 

 

【企業分析|2998クリアル】不動産クラウドファンディングの決算注目ポイントを解説

はじめに

クリアル株式会社(証券コード:2998)は、2023年8月14日に2024年3月期第1四半期の決算を発表しました。決算発表後、同社の株価は5%以上上昇しました。この記事では、クリアルの決算内容と筆者独自の注目ポイントを交えて解説します。詳細なIR情報


は以下のクリアルの公式ページをご確認ください。

corp.creal.jp

クリアルの事業概要

クリアルは、時価総額479億円(2023/8/15時点)、従業員数88人(2023/3時点)の不動産資産運用サービス会社です。同社は単一事業セグメントですが、その中での主なサービスは以下の3つです。

  1. CREAL:個人投資家向けにクラウドファンディング技術を活用して不動産による資産運用をオンラインで手軽に1万円から開始できるサービス
  2. CREAL PB:個人投資家向けに、AI・DXを活用して抽出した優良実物不動産を対象として、中長期の資産運用サービス(2023年4月よりサービスラインの名称を「CREAL PARTNERS」から変更)
  3. CREAL PRO:機関投資家及び超富裕層向けに不動産ファンドの運用等の不動産投資サービス
2023/03(12か月) 売上高   利益  
  金額 構成比 金額 構成比
CREAL 10,223 62.2% 965 43.8%
CREAL PB 4,832 29.4% 544 24.7%
CREAL PRO 1,380 8.4% 696 31.6%

売上高の構成比からも小額投資が可能な不動産による資産運用サービスCREALに着目する必要がありそうです。

競合他社

上場企業が提供する不動産クラウドファンディングサービスとしては、プロパティエージェント(3464)のRimple、GA Technologies(3491)のRENOSYクラウドファンディング、トーセイのTREC Funding(8923)等があります。その他SBI証券のST投資や三井物産グループのALTERNAもあります。

funding.propertyagent.co.jp

www.renosy.com

trec-funding.jp

site2.sbisec.co.jp

 

alterna-z.com

 

競合は増えてきていますが、CREALの方が想定利回りや案件数を上回っており優秀にみえます。CREALはSBI証券のトップ画面にPRが設けられており動線もしっかりしていて認知度も高いです。

SBI証券トップ画面

出展:SBI証券トップ画面 左側中段にCREALサービスが展開されている

第1四半期の決算内容

業績進捗

クリアルの通期会社予想では、売上高は26,000百万円、営業利益は770百万円です。1Q実績は、売上高5,616百万円(進捗率21.6%)、営業利益は322百万円(進捗率41.8%)と順調のようにみえます

1QではCREAL案件で物流施設2件、レジデンス2件を売却し、計画を上回るTake Rateを確保していたため、利益が大幅に増益になっています。Take Rateは後ほどご説明します。

売上高 5,616百万円
進捗率 21.6%

 

営業利益 322百万円
進捗率 41.8%

前期の実績では2Qに偏重していますが、CREAL案件の物件売却によるもののようです。今後CREALの資産運用プラットフォームとしての一層の拡大により、売上高及び利益の特定の時期への偏重は解消される想定のようです。

前期進捗率(累計) 1Q 2Q 3Q 4Q
売上高 16.9% 56.8% 73.8% 100%
営業利益 20.7% 92% 97.6% 100%

KPI

CREALの売上総利益はGMV×Take Rateから成ります。

GMVはGross Merchandise Valueの略で、「流通取引総額」のことを指します。CREALでのGMVは調達時点(ファンド募集時点)の数値として集計・公表されます。しかし、CREALの売上高及び売上総利益への計上は取引決済時点(物件売却時点)で行われるため、GMVの成約から売上総利益の計上までには、多くのファンドで約1年間のタイムラグが生じます。このため、GMVはCREALのサービスの規模を示すとともに、売上総利益の先行指標となる重要なKPIとなります。

Take Rate(手数料率)は、GMVに対する運営企業の収益率を指します。CREALのTake Rateは、案件組成手数料、ファンド運用手数料、償還手数料からなる確定フィーと、ファンドの外部売却時のキャピタルゲインのプロフィット・シェアによる変動フィーで構成されています。これまでの実績を合算すると、8~10%になります。

同社は、主力のCREALのGMVの成長が同社の利益成長に大きく貢献する構造であることから、GMV、会員数、リピート投資率、売上総利益などをKPIとして重視しています。特に、GMVと会員数を重視しています。決算資料によると、GMVと会員数は計画進捗率25%を超えているため、順調に伸びていることが分かります。

会員数の推移

出展:決算説明資料 会員数の推移

GMVの推移

出展:決算説明資料 GMVの推移

注目のポイント

筆者は有価証券報告書第2【事業の状況】のうち(5)優先的に対処すべき事業場及び財務上課題について着目しました。

有価証券報告書によると以下の6つが挙げられています。

  1. 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度の更なる向上
  2. 良質な不動産投資案件の仕入
  3. 新規許認可の取得
  4. 優秀な人材の確保と育成
  5. 内部管理体制の強化
  6. 財務基盤の強化

このうち「3.新規許認可の取得」が注目しているポイントです。

同社は、オンライン不動産投資市場の高度な成長ポテンシャルを背景に、主力のCREALを成長戦略のメインドライバーと位置づけています。その発展のため、現在は第3号及び第4号の不動産特定共同事業者許可取得の準備を進めています。

同社は、不動産特定共同事業法に基づく第3号及び第4号事業者としての許可取得を金融庁及び国土交通省へ申請しています。同許可取得により、外部のSPC(特別目的会社)を利用したクラウドファンディングでの案件組成が可能となります。SPCの活用により、物件のオフバランス化と金融機関からの借り入れを活用した大型の物件への投資、レバレッジを利かせた収益の獲得ができるようになります。借入金によるレバレッジ効果によってCREALの投資家の利回りが向上し、同社の収益の向上も期待できます。

また、SPCの活用が可能となれば、「CREAL」の売上総利益(=GMV×Take Rate)のTake Rateを構成する確定フィーと変動フィーのうち、確定フィー部分についてタイムラグがなくなります。

上記のように、新規許認可が取得できれば、更なる収益の向上が期待されます。これは同社の第2の成長ステージへ向けた事業スキームとなります。

開発内容の一覧

出展:決算説明資料 開発内容の一覧

配当

有価証券報告書では配当についても言及されていました。

同社は、事業拡大を積極的に推進しており、成長過程にあることから内部留保の充実を図り、資金を有効活用することが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えています。将来において、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針ですが、現時点では今後の具体的な配当方針は未定とのことです。

将来的には検討しているとのことですので、近い将来で株主還元策として配当を発表すると嬉しいですね。

株価予想

通期会社予想ではEPSは83.1円です。直近1年の最大PER104.1倍を適用するとEPS83.1円×PER104.1倍=株価8650円となります。6/30にPERが最大となっています。注目のポイントのように成長余地があると思えば株価は上昇しますが、少なくとも割安ではなさそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、クリアル株式会社の2024年3月期第1期四半期報告書に基づく決算内容と筆者の注目ポイントを紹介しました。

当社は、小額投資が可能な不動産による資産運用サービスCREALを提供しています。案件数や会員数も順調に増えています。今後は新規許認可の取得を目指し、物件のオフバランス化と金融機関からの借り入れを活用して大型物件への投資を行い、レバレッジを利用して収益を上げることができるようになる予定です。これにより、CREALの投資家の利回りが向上し、当社の収益も増加することが期待されます。これは当社の第2の成長ステージへ向けた事業スキームとなるため、今後の注目ポイントとなるのではないでしょうか。

投資は自己判断でお願いします。

あなたは決算内容のどこにに注目していますか?ぜひコメントやシェアをお寄せください。

【お買い得情報】8月の松屋銀座の倉庫解放セールでゲットした商品を公開!

はじめに

松屋銀座は株式会社松屋証券コード:8237)が経営する百貨店です。

不定期に倉庫解放セールを開催しており、毎年2〜4回行われています。私は2023年8月に開催された倉庫解放セールに参加しました。倉庫解放セールでは、通常は買わないような商品もお得に購入できます。

前回のセールは4月に開催されました。過去の記事は以下からご覧いただけます。

moririn-code.hatenablog.com

倉庫解放セールの概要

【日時】

2023年8月19日(土) 10時~17時

2023年8月20日(日) 10時~17時

【場所】

松屋市川塩浜倉庫(東京ベイ・ファッションアリーナ内)

(最寄り駅:JR 市川塩浜駅

【開催日の確認方法】

松屋銀座HPをチェック

・LINEで松屋銀座を友達登録し、メッセージをチェック

私はLINEで友達登録をし、メッセージをチェックしています。

その方が忘れずにチェックできるのでよいと思います。

松屋銀座倉庫解放セール

松屋銀座倉庫解放セール

会場の様子

今回は8月20日(日)の午前10時頃に行きました。

入場時にはアイスパックが無料で配布されていて、まだまだ暑いこの時期にはありがたいサービスでした。

開店直後に行ったのですが、人はそこまで多くなく、前回売り切れていた常温保存可能なおかずを求めて商品を探しました。

無料配布のアイスパック

無料配布のアイスパック

会場入り口の様子

会場入り口の様子


開店直後だったおかげか、まだたくさん在庫があったので、すぐに買い物袋に入れました。冷蔵庫がいっぱいの私の家では、この常温保存できるおかずは重宝します。

お米は重たいので、最後に購入しようとしたのですが、お米の「新之助」は一周している間に売り切れになっていました。代わりに、「晴天の霹靂」を購入することにしました。どの商品も安くなっていて、吟味するのがいい意味で大変でした。

レジはそこまで混んでいなくて、お会計には10分弱しかかかりませんでした。

販売されていたお米

販売されていたお米

外部リンク:www.primaham.co.jp

購入した商品

今回購入したものは以下の通りです。

  • プリマハムの常温保存できるハンバーグ6個とおかず2個のセット|1080円

ハンバーグは10個入りで1850円、おかずは358円で販売されていたりするので、800円程度お得です。

  • 帝国ホテルのカレーセット|1620円

定価は3240円ですので、半額くらいで購入できました。

  • 150g×3袋の珈琲豆|1620円

調べたら150gあたり1500円程度する豆だったので、半額以下で購入できたようです。

その他お米や味噌を購入しました。お米はサイトによって値段にばらつきがあるんですね。今回初めて知りました。

購入した商品

購入した商品

今回は購入しませんでしたが、男性用のスーツも生地が良いものがたくさんあり、1万円以下でたくさん陳列されていたので、次回は検討したいと思っています。

倉庫解放セールのメリット・デメリット

【メリット】

・服飾や食料品がお得に購入できる

【デメリット】

・開催スケジュールが直近にならないとわからない

・交通費がかかる

・駐車場がない

まとめ

松屋銀座の倉庫解放セールはお得な商品や食料品が買える人気のイベントです。

今回は8月に行ってきました。

目当ての商品が売り切れていたり、レジが混んでいたりすることもありますが、8月は暑いせいかあまり混んでいませんでした。

次回も開催されることがあれば、ぜひ行ってみたいと思います。

あなたは松屋銀座の倉庫解放セールに行ったことがありますか?コメントで教えてください!

 

【企業分析|4318クイック】人材サービス会社の決算の注目ポイントを解説

 

はじめに

株式会社クイック(証券コード:4318)は、2023年7月31日に2024年3月期第1四半期の決算を発表しました。決算発表後、同社の株価は大きく下げました。この記事では、クイックの決算内容と筆者独自の注目ポイントを交えて説明します。詳細なIR情報は以下のクイックの公式ページをご確認ください。

919.jp

クイックの事業概要

クイックは、時価総額406億円(2023/8/6時点)、従業員数1,357人(2023/3時点)の人材サービス会社です。主な事業は以下の通りです。

 

  1. 人材サービス:特定領域の人材紹介・派遣サービス(製薬関連職、建設関連職、エンジニア、看護師など)を提供。製薬業界の「MR BiZ」や建設業界の「セコカンプラス」のように特定領域の転職サイトで取り扱い案件が多い
  2. リクルーティング:新卒採用メディアやアルバイト・パート及び派遣スタッフ採用メディアを展開。新卒採用のためのインターンシップ会社説明会のプログラム作成等のコンサルティングも実施。
  3. 情報出版:生活情報誌などの求人広告取り扱いを行う。
  4. HRプラットフォーム:人事労務に関する研修やセミナーの提供。
  5. 海外事業:米国などでの人材紹介・派遣サービスを提供。

 

セグメント事の売上や構成比等は以下の通りで、人材サービスを中心に構成されています。

2023/03(12か月) 売上高   利益    
  金額 構成比 金額 構成比 利益率
人材サービス 19,086 68.4% 3,877 69.4% 20.31%
リクルーティング 3,404 12.2% 646 11.6% 18.98%
情報出版 2,333 8.4% 194 3.5% 8.32%
IT・ネット関連 1,713 6.1% 766 13.7% 44.72%
海外 1,360 4.9% 105 1.9% 7.72%

競合他社

人材サービス会社は多くの競合他社が存在しています。クイックの主な競合他社として、パソナグループ、エス・エム・エス、ギグワークス、リクルートHDなどが挙げられます。細かい事業内容は異なりますが、クイックは時価総額から成長余地も残っていますし、営業利益率(会社予想)も最も高いです。PERも競合他社と比較しても比較的低いことがわかります。

銘柄名 クイック エス・エム・エス パソナグループ ギグワークス リクルートHD
時価総額(2023/8/6) 406 億円 2,479 億円 673 億円 57 億円 82,814 億円
予想PER 11.9 倍 34.8 倍 12.7 倍 19.6 倍 - 倍
売上高(会社予想) 30,000百万円 54,799百万円 390,000百万円 28,200百万円 -
営業利益率(会社予想) 16.53 % 15.28 % 4.10 % 1.77 % -

第1四半期の決算内容

業績進捗

クイックの通期会社予想では、売上高は30,000百万円、営業利益は4,960百万円です。1Q実績は、売上高8,983百万円(進捗率29.9%)、営業利益は3,005百万円(進捗率60.6%)とかなり順調のようにみえます

売上高 8,983 百万円
進捗率 29.9%
営業利益 3,005 百万円
進捗率 60.6%

しかしながら、クイックの売上高や営業利益は1Qに偏重する傾向があるため、注意が必要です。前期の実績を確認しても特に営業利益が1Qに偏重しているのがわかります。前期実績と比較すると今期の進捗率は悪いと言わざるを得ないでしょう。

前期進捗率(累計) 1Q 2Q 3Q 4Q
売上高 31% 54% 77% 102%
営業利益 75% 83% 96% 102%

セグメント毎の状況

人材サービス事業

人材紹介では、注力分野である建設や電機・機械、自動車、IT等の分野で企業の採用ニーズが旺盛でした。また、医療・福祉分野における看護師や保育士の採用ニーズも引き続き高水準で推移しました。この結果、建設関連職種や各種エンジニア等を対象とした特定の領域の人材紹介は順調に、また、看護師及び保育士の人材紹介は堅調に推移しました。これらの結果、人材サービス事業の売上高は6,854百万円(前年同四半期比8.1%増)となりましたが、待遇改善による人件費の増加等により、営業利益は2,918百万円(同1.8%減)となりました。

リクルーティング事業

注力商品のIndeedに加え、新卒採用メディアは順調に推移しました。一方で、競合企業との競争激化に伴い、アルバイト・パート及び派遣スタッフ採用メディアがほぼ横ばい、中途採用のための正社員採用メディアは厳しい状況となりました。求人広告取り扱い以外のサービスは、新卒採用のためのインターンシップ会社説明会のプログラム作成等のコンサルティング領域はほぼ横ばいで推移しましたが、採用サイトや会社案内等の制作領域が低調でした。この結果、リクルーティング事業の売上高は749百万円(前年同四半期比1.8%減)となり、さらに待遇改善による人件費の増加等に伴い、営業利益は75百万円(同56.3%減)となりました。

情報出版事業

北陸及び新潟の旺盛な求人需要を背景に求人広告の取り扱いも好調だったこと等により、生活情報誌全体の業績は堅調でした。この結果、情報出版事業の売上高は643百万円(前年同四半期比17.3%増)となり、待遇改善による人件費の増加等を吸収し、営業利益は114百万円(同76.0%増)となりました。

HRプラットフォーム事業

従来「IT・ネット関連事業」としていた報告セグメントの名称を「HRプラットフォーム事業」に変更しています。人事労務に関する研修やセミナーへの集客ニーズも継続しているものの、人事ポータルサイト「日本の人事部」の広告売上高は、コロナ禍において積極的に販促活動を展開していた一部大口顧客の広告出稿抑制の影響を受けました。この結果、HRプラットフォーム事業の売上高は378百万円(前年同四半期比38.2%減)となり、さらに待遇改善による人件費の増加等に伴い、営業利益は203百万円(同37.3%減)となりました。

海外事業

海外事業において、米国では引き続き旺盛な採用ニーズに加え、2022年1月に拠点を開設したダラスの運営が軌道に乗ってきたこと等から、人材紹介、人材派遣ともに増収となりました。この結果、海外事業の売上高は356百万円(前年同四半期比25.5%増)、営業利益は46百万円(同6.4%増)となりました。

注目ポイント

私は、1Q偏重を考慮すると通期会社予想の達成が困難なものの業績予想を据え置いている点に着目しました。

クイックの2023年3月期の決算説明資料の中で、2024年3月期の中期計画が示されており、1~2期目の人材採用や新たなサービス開発への投資が3期目の業績拡大につながる計画があります。今回の決算短信の定性的情報を確認すると、待遇改善による人件費の増加により販管費が増加し、営業利益が減少していることが分かります。これは中期計画の説明と整合していると考えられます。また、今回の賃借対照表を確認すると、ソフトウェア仮勘定が148,042から222,986千円と75百万円増加しています。これも中期計画の説明と整合した内容ではないでしょうか。つまり2Qまでは引き続き販管費が増加するものの3Q以降に業績へ好影響が表れると予想され、会社も業績予想を据え置いているのではないでしょうか。

とはいえ人材サービス事業の売上高は前年同期比で8.1%増と順調そうにみえますが、リクルーティング事業の売上高が前年同期比で1.8%減少している点には注意が必要です。会社としてリクルーティング事業を強化していくとのことですので、この事業の売上高が2Q以降で伸びるかどうかが重要な要素となります。

2Qの最新会社予想

第1四半期決算短信の1ページ目の一番下に第2四半期(累計)の会社予想が開示されています。会社予想では2Qは売上高15,899百万円、営業利益3,815百万円を予想しています。2Q単独の売上高は6,916百万円と前年同期比とはあまり変わりませんが、営業利益は810百万円と前年同期比と比べて大幅に増加する予想です。この2Q会社最新予想からも1Qの営業利益の減少は想定通りで通期業績予想を据え置いているのではないでしょうか。

営業利益(単独) 1Q 2Q
2023年3月期 3,319百万円 327百万円
2024年3月期 3,005百万円 810百万円(会社予想)

株価予想

通期会社予想ではEPS179円です。直近1年の最大PER14.8倍を適用するとEPS179円×PER14.8倍=株価2649円となります。競合他社のエス・エム・エスのPER34.8倍を提供するとEPS179円×PER34.8倍=株価6229円となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、株式会社クイックの2024年3月期第1期四半期報告書に基づく決算内容と筆者の注目ポイントを紹介しました。

待遇改善による人件費の増加等により営業利益率が減少していますが、通期業績予定は据え置いていて、2Qの会社予想も営業利益は前年同期比より増加する予想をしています。1Qの決算発表によって株価は大きく下落しましたが、会社としては業績は想定内と考察します。特にリクルーティング事業の売上高が注目される点であり、2Q以降での業績動向が重要です。

 

投資は自己判断でお願いします。

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【企業分析|Jワランティ(7386)】第3四半期の決算の注目ポイントを解説

はじめに

2023年8月4日にジャパンワランティサポート株式会社(証券コード:7386)が2023年9月期第3期半期報告書で決算を発表しました。この記事ではジャパンワランティサポート(以下、JWS)の決算内容とともに筆者独自の注目ポイントを交えて説明します。詳しく知りたい方は以下のJWSのIR情報を確認してください。

www.jpwsp.com

ジャパンワランティサポートの概要

JWSは、家電や住宅設備機器を製造又は販売する住宅設備供給事業者と提携し、住宅設備機器の延長保証事業を展開している BtoBtoCの事業形態です。JWSは住宅設備機器の故障による修理対応や不具合の解決を事業者に代わり行います。住宅設備機器のメーカー保証期間は通常1~2年ですが、JWSはメーカー保証期間を含む最長10年にわたってサービスを提供しています。競合他社として日本リビング保証(証券コード7320)があげられます。

第3四半期の決算内容

上方修正

JWSは第3四半期の決算発表と同時に通期業績予想の上方修正の発表もしています。3Qまでの好業績と4QでのBPO事業の大幅拡大を見込んでおり、売上高は期初計画比で+3%増と控えめですが、営業利益は期初計画比で+19%と大幅に増加する予想としています。この増加の要因としては、売上原価となる外注費の抑制とDX推進に伴う経費の抑制が進んでいることにあります。

単位:百万円 売上高 営業利益 経常利益
期初計画 1,711 603 659
上方修正後 1,765 715 760
期初計画比 +54(+3%) 112(+19%) 101(+15%)

 

第3四半期のトピックス

事業拡大

事業の柱となっている住宅設備延長保証、BPOにおいて大手企業との業務委託契約が確定したため、4Q以降に大幅な業績拡大が期待されます。また、住宅設備延長保証に続く収益の柱として、独自ノウハウを持つ自社コールセンター、アドミ業務全般の対応が可能なバックヤードを活用したBPO事業を拡大する計画です。

KPI

JWSはKPIとして有効会員数を目標として設定しています。前年同期比で約154万件(118%増)となり、提携企業数の増加と新規会員数の増加により今後も継続的な増加が期待されます。また、リユース修理サポートの拡大により低単価の顧客が増える一方で、パック保証が拡大することで高単価の収益も維持していることがわかります。

営業外収益

JWSは3Qより収益不動産の運用による家賃収入を得ています。また、有価証券等の運用により営業収益を強化しています。今後も運用資産の取得等を積極的に検討し、営業外収益の底上げを見込んでいます。営業外収益は2022年9月期の6百万円から2023年9月期は41百万円と大幅に増加しております。私はこの営業外収益によっては更なる利益の増加が見込まれる可能性があると考え、本記事の注目ポイントとして深堀りしたいと思います。

筆者の注目ポイント

私は営業外収益に注目しています。

2023年9月期の営業外収益は41百万円と営業利益483百万円と比較しても比較的営業外収益の割合が多いような印象を受けています。ただし、投資有価証券の売却益や投資不動産賃貸料など、一過性の要因が含まれることも考慮すべきです。営業外収益の持続性については決算短信などから読み解く必要があります。

2023年度の第1四半期から第3四半期の決算短信のうち賃借対照表と収益計算書から営業外収益に大きく関わってくるのは投資有価証券と投資有価証券売却益であることが分かります。営業外収益41百万円のうち投資有価証券の売却益が28.4百万円(69%)、投資不動産賃貸料が5.6百万円(14%)です。投資有価証券の売却益は以下の表の通り、四半期によってばらつきがあります。

決算短信によると1Qの売却益は上場株式の売却のよる利益で1Qから2Qで投資有価証券が増加しているのは社債の購入によるもののようです。決算説明資料によると3Qの投資有価証券売却益が多いのは有価証券等の運用収益が拡大したことによる影響と推定できます。経営方針として有価証券等の運用を積極的に検討するとのことですので、3Qはその結果が出たということになります。2Qのように売却益が少なかったこともあるので、継続的に利益を出すのかは定かではなさそうです。皆さんも株式投資を経験されているのであれば、なんとなくイメージはつくのではないでしょうか。

単位:千円 1Q 2Q 3Q
投資有価証券(累積) 836,552 1,103,451 1,108,747
投資有価証券売却益(単独) 8,661 69 19,670

 

3Qより新規に計上された投資不動産賃貸料5.6百万円は継続して利益が出るものと思われます。ただし、2023年3月27日の「固定資産の取得に関するお知らせ」を確認すると、業績予想に織り込んでいるとのことです。取得の目的は住宅設備機器の延長保証事業及び新サービスに関するデータ取得、ニーズ調査等のプレマーケティングを行い、事業を拡大させるための一施策とのことです。住所情報を確認すると、ワンルームマンションのようでした。データ取得等が主となる目的ですので、投資不動産による利益は主軸にはならないと読み取れます。

以上より、営業外収益は一過性によるものと考えられますので、投資をする上では本業の利益の推移をしっかり確認する必要があると思われます。利益が上振れば儲けもの程度に考えておいた方がよいでしょう。

今後

上方修正によりEPSが187円から225円となり、PERの最大値が20倍程度なのでEPS225円×PER20倍=株価4,500円くらいまでは行く可能性があると考察しています。また、来期以降は私が以前書いた記事の通り、平均単価の上昇も見込まれる可能性があります。

moririn-code.hatenablog.com

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、ジャパンワランティサポート株式会社(JWS)の2023年9月期第3期半期報告書に基づく決算内容と筆者の注目ポイントを紹介しました。

JWSは今回の決算で上方修正を発表しました。KPIである有効会員数は継続的に増加が見込まれます。また、決算資料より営業外収益は一過性のものと思われます。今後も有効会員数の増加と平均単価の上昇が予想される場合は株価も伸びるのではないでしょうか。

投資は自己判断でお願いします。

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